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罠猟を行っていると、保定用の棒、止め差しをするヤリや電気槍等などいろいろな長物が必要になります。そこで荷物を少なくし、保定から止め差し作業をスムーズにできるよう、長物の先端のアタッチメント式として鼻くくり装備から、槍へ切り替えられる、止差ロッドを作成します。
※作るのがめんどくさい方は同様のコンセプトで伸縮性の棒に鼻くくりのアタッチメントや包丁の先をつけられる製品が日本一安い罠の店さんから出ていますので、そちらからお求めください。
要件設定
止差ロッドの試作にあたって、考慮した事項は以下の通りとしました。
- 止差ロッドと鼻くくりができるアタッチメント、放血用の槍のアタッチメントを作成
- 安価(10,000円以下)であること
- 特殊な工具等を利用せず作れること
- アタッチメントはネジ式で脱着できること
止差ロッド
材料
- HIVPパイプ 呼び径20 2m×1本 ・・・300円
- TS接手 水栓ソケット 呼び径20 1個 ・・・46円
- 塩ビ用接着剤 適量
小計 346円(税抜)
※HIVPパイプは特売で安かったので利用しました。通常の塩ビVPパイプでも可能だと思います。
※HIVPパイプは後述の2つのアタッチメントで使用するため、100mmと150mmの長さに切ったものを取っておきます。
作業工程
パイプに塩ビ用接着剤を塗布して、ソケットを差し込むだけで完成です。アタッチメント用に電動のこぎりやパイプカッター等で切り出しておく必要がありますが、止差ロッドの作成自体は簡単ですね。
完成品
アタッチメント類
鼻くくり
「これから始める人のための罠猟の教科書」東雲輝之著 秀和システム出版で紹介されている鼻くくりと同じものを作成。
これから始める人のための わな猟の教科書 [ 東雲 輝之 ]
材料
- ステンレスワイヤーφ4mm 1m ・・・300円
- くくり金具4mm用3.2mm厚 1個 ・・・270円
- アルミwスリーブ φ4mm用 2個 ・・・ 52円
- TSキャップ 呼び径20 1個 ・・・ 28円
小計 650円(税抜)
作業
TSキャップにはφ5mmの穴をドリルで開けています。また、アルミスリーブをカシメるのに手持ち式のスエージャという工具を使いました。
下の図のようにTSキャップにワイヤーを通したのち、抜け止めにワイヤーを折り返して、アルミスリーブをカシメます。
引っ張った際に締まり、抜けなくするように、くくり罠で使うくくり金具をワイヤーに通し、鼻くくりを引っ張るロープをかける輪を作り、元はアルミスリーブをカシメて完成です。
鼻くくりアタッチメント
上記で作成した、鼻くくりを取り付けるアタッチメントです。TSキャップ 呼び径20を異径ソケット20-13に着けるとがたも少なくいい感じでした。
材料
- TSキャップ 呼び径20 1個 ・・・28円
- HIVPパイプ 呼び径20 100mm
- TS径違いソケット 20-13 1個 ・・・46円
- コーティングクランプ(ハーネスクリップ) 1個 ・・・46円
- ビス 4×15くらいのもの 1個
- 塩ビ用接着剤 適量
小計 120円(税抜)
HIVPパイプは止差ロッドの材料を一部切り出したものなので、金額の記載してません。また、下記の写真には写し忘れてしまったのですが、コーティングクランプとビスも材料として使っています。コーティングクランプはハーネスクリップとも呼ばれ、車やバイクの車体内部で電線やワイヤーをまとめるために使われている部品になります。ロープを仮固定するだけなので、ほかの部品でも代替できると思います。
HIVPパイプの両端に塩ビ用の接着剤を適量塗布して、TSキャップとTS径違いソケットを差し込みます。φ3mmの下穴をあけたうえで、コーティングクランプをビス止めして完成です。このコーティングクランプは、これがないと鼻くくりがロープの重さで自然に締まってしまうため、ロープを支え自然に締まるのを防ぐために着けています。
完成品
槍アタッチメント
保定後の放血用の槍のアタッチメントを作成します。
※刃物は銃刀法に留意しないと、警察に捕まります。法令を遵守して作成、取り扱ってください。
刃渡り15cm以上の刃物(片刃)は公安委員会への届け出が必要です。15cm以下であっても、正当な理由(狩猟のため等)がなく携帯するのは違法となっています。ご注意ください。
材料
- モーラナイフ ブレードNo.3 1本 ・・・2,200円
- セメダイン エポキシパテ 100g ・・・ 581円
- ホースバンド 外径17-38用 ・・・ 190円
- TSバルブソケット 呼び径20 ・・・ 25円
- HIVPパイプ 150mm
- 塩ビ用接着剤 適量
小計 2,996円(税抜)
モーラナイフブレードNo.3はスウェーデン製の狩猟やアウトドアをする人が使うナイフのエントリーモデルとして有名なモーラナイフの刃(刃渡り13.5cm)のみのものです。オリジナルナイフを作る際のベースとしてもよく利用されているようです。
Morakniv Knife blade No3 carbon steelモーラナイフブレード No3 カーボンスチール【正規品】
作成
パテ材を練り込んでHIVPパイプに充填し、ブレードを差し込みます。パテが硬化後、ソケットを接着剤をつけて取り付け、抜け止めにホースバンドで締め付けています。
完成
止差ロッドとアタッチメント完成
作成した止差ロッドにアタッチメントを装着したものが、下記の写真のようになります。まだ、実践を経験していないので、不具合が出るかもしれませんが、その場合は報告記事を書きます。大イノシシの場合、刃物がひん曲がったとの情報もあり、強度面でちょっと不安なところがあります(汗)。
材料費の合計は4,022円でした。税抜、送料、工具代金は入っていないですが、安くできたのではないでしょうか。(目標設定ががばがば過ぎた(汗))
今後は実践を踏まえた改良や、電気槍アタッチメント等を作れたらいいなと思っています。
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